ディスプレイには、『宮本海翔』

「もしもしっ!」

『結? 相変わらず、元気いいなぁ。
昨日、電話くれた?』

「うん。」

『ごめんな。充電切れで、今、気付いた。』

「今、どこ?」

『家。さっき、ようやく帰って来た。
久しぶりに二徹したよ。』

「二徹? 仕事だったの?」

『うん。障害対応が終わらなくてさぁ。
どうしても、月曜には稼働させなきゃ
いけなかったから。
課長は残業付かないのに、酷いよな。』

「よかった…」

『ん、何が?』

「何でもない。」

『何? 結、泣いてる?』

「泣いてないよ。」

『なんかあった?』

「ううん…」

『結?』

「大丈夫。
ちょっと、寂しかっただけ。」

『会いに行けなくてごめんな。
仕事が落ち着いたら、必ず、会いに行くから。』

「うん。待ってる。」

『じゃ、おやすみ。
結、愛してる。』

「っ! おやすみ…さい。」