遠距離の彼 と 近距離の同期

「どうした?」

天が、くすくす笑う私の顔を覗き込む。

「別に。」

私は顔を引き締めて、怒った顔を作ろうとするが、無理だった。

天は諦めて、車を出す。

「ねぇ、どこ行くの?」

私が聞くと、

「パンダ見に。」

と天。

「プッ
ふふふっ」

私は堪え切れなくなって、思いっきり吹き出した。

「何? なんか変な事、言った?」

「ううん。言ってない。
ふふふっ」

私は笑いが止まらない。

「何だよ。すっげー、気になるんだけど。」

「違う、違う。
天ってば、一見、強面なのに、かわいいって
思っただけ。」