遠距離の彼 と 近距離の同期

私は、胸元のドレープがお気に入りのカットソーとネイビーのデニムにスニーカーという、カジュアルな出で立ちで、天を待った。

目が腫れてるのは仕方ないから、メイクで精一杯ごまかして、ギリギリまで保冷剤で冷やす。

ピンポーン♪

玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けると、天が立っていた。

「おはよ。」
と天。

げっ!
カッコいい…

ネイビーのシャツにブラックデニムという、至ってシンプルな服装なのに、だからこそ元のスタイルの良さが際立っている。

こいつの横を歩くのは、ある種の拷問だな…

そんな事を考えていると、思いっきり屈んで顔を覗き込まれた。

な、何?

「ああ、やっぱり、腫れたなぁ。」

ブチッ
頭の中で、何かが切れた。

「うるさいな! 大きなお世話よ。」

私が言うと、

「ゴメン、ゴメン。悪気はないんだ。
車だから、移動中に保冷剤で冷やしてていい
から。」

と天は笑った。