遠距離の彼 と 近距離の同期

部屋に着くと、天は、

「冷蔵庫開けるぞ。」

と言って、私に水を飲ませてくれた。

水を飲むと、

「ほら、シャワーを浴びて来い。」

と勧めてくれて、上がると

「はい、ここに座って。」

と髪を乾かしてくれた。

髪が乾くと、

「じゃあ、もう寝ろ。
嫌な事は、寝たら忘れるから。」

そう言って、私をベッドに寝かせると、その傍に座って、私の手を握ってくれた。

私はその手の温もりが嬉しくて、でも、それが海翔の手じゃない事が悲しくて、また涙が溢れた。

天は、手を握った反対の手で、私の頭を撫でてくれた。

その手が心地よくて、泣き疲れたのもあって、私は気付いたら、眠っていた。