なのに、『伊藤と来てみたかった』なんて言われたら、勘違いしてドキドキしちゃう。

宮本さんは、自分の発言の影響力をもっと自覚して欲しいよ。

「宮本さんがそんな事言うと、女の子はみんな
勘違いして後で大変な事になりますよ。
修羅場になりなくなかったら、もう少し
言葉を選んでください。」

私が忠告すると、

「ん? 勘違い? 何が?」

とニコニコいつもの王子様スマイル。

「自覚ないんですか?」

私が憮然として言うと、

「んー、ま、それなりに?」

と今度はにやりと笑う。

「じゃあ、心臓に悪い台詞言うの、やめて
くださいよ〜」

「ムリ。」

「は? 何でですか!?」

「だって今日は、結を口説きに来たんだもん。」

「え!?」

結!? 名前!?
っていうか、私を口説く!?

意味が分からなくて、私がどぎまぎ狼狽えてると、

「結、かわいい。
そんな結が好きなんだ。
俺と付き合おう?」

と言って、私の手を握った。