遠距離の彼 と 近距離の同期

「でも、そんなに慌てなくても…
せめて、あと1〜2ヶ月くらい先でもいいん
じゃない?
何かこだわる理由があるの?」

「……… こだわったら、ダメか?」

なんだろう?

天の表情が暗い?

「ダメじゃないけど、どうしたの?
いつもの天らしくないよ?
何かあった?」

「……… 一年前。」

一年前?

一年前の6月28日って、私が産休前、最後の日?

天と引き継ぎをして、最後のランチを食べて私が泣いた。

「私たちが離れた日って事?」

それでも天はまだ煮え切らない顔をしていた。

「なに? 天らしくないよ?
はっきり言ってよ。」

「……… 結が他の男にプロポーズされるのを
目の前で見ながら、指を咥えて黙ってる事しか
できなかった日。
だから、もう絶対、結を離さないっていう
誓いをこの日にしたい。」

天………

あの時、私が思う以上に天を傷つけてたんだね。

天、ごめんね。