「天、抱いてみる?」

「いいのか?」

「もちろん。
絆、あなたのパパになりたかった人だよ。」

私は絆に語りかけて、天の手に渡した。

「絆、3番目のパパだよ。」

天が絆に言った。

「何それ?」

「実の父、育ての父、立候補の父。」

「ぷっ
勝手に父を名乗らないでよ。」

私が笑うと、

「俺の場合、勝手に名乗らなきゃ、絆の父に
なれないじゃん。
なぁ、絆?」

と、天は絆に話しかけた。

すると、なぜかピタリと絆が泣き止んだ。

絆は、じっと天を見上げる。

「お? 結、絆が俺を見てる!
ほら、ほら!
かわいいなぁ。」

天が嬉しそうに、子供みたいに はしゃぐ。