遠距離の彼 と 近距離の同期

挨拶をすると、天が手を繋いできた。

「天! ここ、まだ会社!」

「いいじゃん、手ぐらい。」

「ダメ!」

私が下から睨むと、天は、

「ケチ。」

と言って手を離した。

「っ!
ケチって何よ!」

私が怒ると、

「お前ら、気が散るから、痴話喧嘩は外で
やってくれ。」

と中橋さんに言われてしまった。

「すみません。」

私が謝ると、天は横で

「くくっ」

と笑っている。

元はと言えば、天のせいなのに!

私は、天を無視して、廊下に出た。

天は慌てて追いかけてくる。