遠距離の彼 と 近距離の同期

「それは、あんな場面で変な事を言った天が
悪いんでしょ!?
だいたい、中橋さん、既婚者じゃないですか!!」

「既婚者でも、アイドル好きはいるぞ。
だいたいお前ら、いつから付き合ってたん
だよ?」

そう聞かれて、私は天と顔を見合わせた。

「付き合ってませんけど。」

私が言うと、

「はぁ!?」

と複数の声が上がった。

「小川、付き合ってもいないのに、いきなり
こんなとこでプロポーズしたのか!?」

と中橋さん。

「別にいいじゃないですか。
俺は、結を一生独り占めしたいんですから。」

天は蕎麦を口に入れたまま言った。

「天!
そういう恥ずかしい事は、会社では
言わないで。」

私が慌てて言うと、

「ほら。真っ赤になって、かわいいでしょ?
他の奴が手を出す前に俺の物ってはっきり
させときたいんですよ。」

と私の頭をわしゃわしゃと撫でる。