遠距離の彼 と 近距離の同期

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19時。

「天、お腹空いた。」

私が言うと、

「そうだな。」

と答えるのみ。

「ねぇ、晩ご飯は?」

「そんなのねぇよ。」

「はぁ!? やだ、出前取ろうよ。」

私が言うと、それを聞きつけて、わらわらと人が集まってくる。

「伊藤、出前取るのか?」
と中橋さん。

「取るでしょ!? 空腹を我慢して仕事なんて
嫌ですよ。」

「じゃあ、俺、蕎麦食べたい。」

「食べたくても、蕎麦屋のメニューは?」

「ない。」

「は? なんで?」

「誰も頼まないから、処分した。」

「はぁ…」

私は思わず、ため息を吐いた。