数分後、姉は海翔を連れて戻ってきた。
「結はねー、表情がとっても分かりやすいん
だけど、海翔くんはあんまり表情が出ないん
だよね。
表情を取り繕わなきゃいけない何かを
感じてるんでしょ?」
「何の事ですか?」
「結の泣き腫らした顔を見ても、少し驚いた
だけで、慌てないのは、分かってるから
だよね?」
「……… 」
「このままじゃ、あなた達、いずれ、破綻
するわ。
だったら、今、終わらせましょう?」
「………嫌です。」
「隣に好きな人がいるのに、ずっと片思いの
状態で一生を過ごすのよ。
それがどんなに辛い事か、想像できる?」
「結は、俺をちゃんと愛してくれてました。
だから、この先、時間を掛ければ、きっと
また…」
「無理よ。
時間を掛ければ、思い出は美化されて、現実は
悪い所ばかりが目に付くようになるわ。
あなたは、この先、どんどん嫌われていくの。
だったら、あなたは結の中の綺麗な思い出に
なった方がいい。
その方が幸せになれるわ。」



