遠距離の彼 と 近距離の同期

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7月1日(月)

私は悪阻を理由にベッドから、海翔を見送る。

支度を終えた海翔は、寝室に戻ってきて、私のおでこに軽くキスを落とす。

「いってきます。」

海翔は笑って手を振って部屋を出て行った。

「いってらっしゃい。」

私がその背中に声を掛けると、一瞬、振り返って、王子様の微笑みを残して、去って行った。


海翔がいなくなると、私は起き上がって、荷ほどきを始める。

自分の着替えをクローゼットにしまい、食器類を並べて、調理器具をしまった。


スーパーに行き、食べられそうな食材を買い込む。

帰宅後、常備菜を作る。


部屋に匂いが充満しないように、換気扇をフル回転させ、圧力鍋で煮る。

落し蓋でコトコト煮込むのは、匂いが立ち込めるからできない。

何種類か作って、冷まして、冷蔵庫に入れる。