「じゃあ、ついでに、
『結婚式が決まったら、連絡するので、
スピーチお願いします』
って言っといて。」

「え?」

「だって、俺たちの上司だった人だよ?
スピーチか乾杯のどっちかお願いしなきゃ
ダメでしょ?」

「………そうだね。
………会社の人、どれくらい呼ぶの?」

「別に決めてないけど、直属の上司と
同僚ぐらい?

安達班なら、課長と、俺と同期の春山と、今、
結が一緒にやってる…なんて言ったっけ?
結の同期の奴?ぐらいは呼ばなきゃいけない
んじゃないか?

他にも同期とかで呼びたい人がいたら、
呼んでいいよ。」

天、何か理由を付けて断ってくれないかな?

「ま、とりあえず、産休を取るのが先。

ふふ、楽しみだな。
上手くすれば、あと1週間で結と一緒に
暮らせる。

そしたら、俺も出来るだけ早く帰るように
するし、極力休日出勤もしない。
ずっと、結と一緒だ。」


海翔…
そんなに思ってくれてるなんて…

海翔を見なきゃ。
海翔を好きにならなきゃ。
海翔と結婚するんだから。
この子のお父さんなんだから。


天を忘れなきゃ………