「一緒についてっちゃダメ?」

「………ダメ。
新しい場所で、新しい役職で、知らない人間と
仕事するんだ。
結がいたら、甘えてしまうし、八つ当たり
だってするかもしれない。
今の俺じゃ、結を守ってやれない。」

私はもう、食事どころではなかった。

そのまま泣き続け、海翔のTシャツを濡らし続けた。

1時間以上泣く私に、海翔は何も言わず、寄り添って抱きしめて、頭を撫で続けてくれた。

涙が渇れる程泣いて、私はようやく顔を上げた。

「待ってる。だから、早く私を迎えに来て?」

私がそう言うと、海翔は私をぎゅっと抱きしめて、

「結、愛してる。」

と言った。