蜜月は始まらない

【ねー見て見て!! こんなの見つけちゃった!!】



そんなメッセージのあとに送信されていたのは、雑誌の見開きページを写したらしい画像だ。

今は縮小して表示されているそれを、小刻みに震える指先でタップして拡大する。

小さな画像の時点でも一応は読めていた見出しが、今度はデカデカとディスプレイ上に躍った。



“ウィングス 柊 錫也 年上ハーフタレントと熱愛”



ゴシック体で書かれたそんなタイトルの下には、夜のマンションから並んで出てきたと思われる男女の写真。

女性の方は黒縁メガネをかけているのみでほとんど顔は見えているため、ファッションモデルで最近はバラエティ番組などでもよく目にする、今人気急上昇中のタレントだとすぐにわかる。

そしてその左側に並んで写る男性は、キャップとマスクでわかりにくくはなっているが……たしかに、錫也くんだった。



「ねつ、あい……?」



こぼれたつぶやきは、震えていた。

立っていられなくなって、ふらりとソファに身体を沈める。

ちょうどそのタイミングで、友人から追加のメッセージが届いた。



【今日発売した週刊誌に載ってたの! あのモカちゃんと熱愛とか、さすが柊くんやるよね~!】



瞳をキラキラさせているウサギのキャラクターのスタンプも、次いで表示される。

彼女からのメッセージを確認してから、再度私は週刊誌の画像を拡大してみた。