傷をまたつつかれたような気がして再び動揺してしまう!


「そ、そんなの、夜神には関係ないでしょっ!?それに付き合ってたなら、なんだっていうの!?」


嫌だ!


この話は、夜神には訊かれたくない……!!



そんな心の叫びが言葉という形で、外へ出た時だった。



!!?



掴まれていた手にきゅっと力がいれられて、夜神の温もりがより一層近くなる。


と、同時にあたしの心もきゅっと苦しくなる。



「まだ好きなの?そいつのこと。」


「え?」


「田畑さん、元彼のこと気に掛けてたじゃん。まだ好きなの?」


「な!?…そ、そんなわけないでしょっ!?なんでそんな事きくのよ!」


「だって好きだから。」


「っ!!?」


「俺、田畑さんのこと好きだよ。」


間髪入れずに夜神の口からなんの迷いもなく告げられる!


あたしはその言葉を聞いて嫌でも心臓が早鐘を打つ……!



夜神から目を逸らせない。


それくらい夜神の瞳が綺麗で吸い込まれそうだった。



「好きだから、好きな人のことを知りたいと思うのが、人の性(さが)っていうものじゃないの?」


「そ、そんなの、分からないよ…!」


と、ふいっと夜神から顔を背ける。



どうしてそんなに冷静でいられるの…?!


夜神は本当にあたしのこと、好きなの??!



そう思った瞬間、あるフレーズがあたしに警鐘を鳴らした。



『夜神もさ、あいつのことどうせからかって遊んでるだけだろ。何が悲しくてあんな女を相手にしないといけないんだか。』