「いただきます。」


「聡志、お疲れ様。よく頑張ったね。」


「サンキュー。」


作ってあげるなんて言っちゃって、リクエストの唐揚げに簡単なサラダにご飯、それにインスタントのスープが精一杯だったけど、なんとか作り終わって、食べ始める。


「どう?」


「美味いよ、ありがとうな。なんか悪かったなぁ。」


なんて言いながら、本当に美味しそうに食べてくれる聡志の姿を見てると、嬉しくなる。


「お前、料理するんだ。」


「見えない?結構好きだよ。たまにだけど、お母さんの代わりに夕飯作ることもある。」


「へぇ。」


「中学の時、調理部に入りたかったんだけど、なくて、それでバレー部に入ったんだ。」


「なんだ、それ?調理部がないから、いきなりバレー部って意味わかんねぇよ。」


「いいじゃん、やりたかったんだから。」


なんか、いい感じで、喋れてる。思い切って、誘ってよかった。


「お前のバレーやってる姿、想像出来ないな。」


「見たかった?自分で言うのも、なんだけど、結構イケてたんだから。」


「のぼせるな、バカ。」


一瞬、間が空いたあと、聡志が聞いて来た。


「お前、中学楽しかったか?」


「まぁまぁね。でも今の方が楽しいかな、悠がいるし、それに聡志も帰って来たし。」


「由夏・・・。」


びっくりしたように私の顔を見る聡志。


「本当だよ、なかなか機会がないけど、こうやって少しずつだけど、話せるようになって来たし。」


「・・・。」


そう言って、私は聡志の顔を見るけど、聡志は視線を外すと、唐揚げを口に運ぶ。もう!


「聡志!」


「な、なんだよ。」


突然、大声を出した私に聡志は、驚いて視線を戻した。


「唐揚げで釣ったと思われるのも嫌だけど・・・幼なじみに戻れない?私達。」


とうとう、言っちゃった・・・。