家に帰ると、塚原のおばさんが来ていた。


「由夏ちゃん、合格おめでとう。今日はあなたのお母さんと腕によりをかけて、ご馳走作るから。」


「本当ですか?ありがとうございます。私も手伝います。」


「いいのよ、今日はあんたと聡志くんのお祝いなんだから。出来るまで、部屋でのんびりしてらっしゃい。」


お母さんがそう言ってくれるので、私は部屋に行った。やがて、ウチのお父さんに、塚原のおじさん、最後に聡志が現れて、メンバーが揃った。


「いらっしゃい、遅かったね。」


「うん、1回帰って、着換えてシャワー浴びて来たから。それより、お前、なんでグラウンド来なかったんだよ。」


「ううん、行ったんだよ。でも聡志、すごい真剣な顔で、練習してたから、声掛けづらくてさ。」


「そうか?昔から練習は真剣にやってたつもりなんだけど。とりあえずお邪魔します。」


そう言って、上がりこんだ聡志は、親達に挨拶すると、そのまま、お父さん達と話し始める。私も席に加わって、いろいろおしゃべりしているうちに、お母さん達が準備が出来たと言って来た。


私と聡志も加わって、食卓に料理が次々と並べられる。


「おいしそう〜。」


「これはスゲェ。」


私達は感動。


「2人共、合格おめでとう。そしてお疲れさまでした。今日はお腹いっぱい食べてね。」


「じゃ、まず乾杯しよう。聡志、由夏、合格おめでとう。乾杯!」


ウチのお父さんは、コ-チだったから、聡志のことも当然呼び捨て。親達はビール、私と聡志はもちろんジュースで乾杯。


「ありがとうございます、お陰様で、無事2人共合格出来ました。」


代表して聡志がそう言うと、2人してペコリと頭を下げる。


それから私達は、賑やかに食卓を囲んだ。腕によりをかけてっておばさんが言ってたけど、何を食べてもおいしくて、会話も弾む。


「おばさん、お母さん、本当においしい。」


「そう、ならよかった。遠慮しないで、たくさん食べてね。」


2年前、場所はあの時は聡志の家だったけど、同じような催しをした時は、聡志と私はぎこちなかったけど、今日は自然に話すことが出来る。


「お、ようやく仲直りしたのか、お前達。」


「随分時間がかかったけど、よかったわね。聡志はどうしたら由夏ちゃんと昔のように話せるんだろうって、悩んでたもんね。」


「そ、そんなことねぇよ。母さん、変なこと言うな。」


ムキになる聡志に、笑い声が上がる。こうして和やかに宴は進んで行く。本当に嬉しそうな両親たちを見ながら、クリスマスの時はちょっと自信なくなったけど、やっぱり私も聡志も愛されてるんだなって実感出来た。


お父さん、お母さん、それにおじさんもおばさんも本当にありがとう。感謝してます!