「碧翔に似てるから、もっと碧翔に似てるとこないかなって探してるうちにASAHIくんを好きになったの」

「ふーん、そうなんだ」

「でもさ、知れば知るほど碧翔に似てないなって思うようになっちゃって」

「…うっせ」


そりゃ俺はあそこまで優しくない。
かっこよくもないし、背も高くないし、頭もよくない。
…兄貴はしっかりしてるし、欠点ってあんまないよなぁ…
欠点ってなんだろ…あ、女めんどくせぇなって考えてそうだな、なんとなく…

とはいえ彼女できたこともあるし…


かっこいいとこ全部飛鳥に持ってかれて、残りが俺、みたいになってる気がする…


「知れば知るほど、やっぱり碧翔がいいなって思ったんだよね」

「・・・え?」


え、待って
なにそれ、どういう意味?

俺は一瞬固まったけど、バッと涼すけの方を見ると
目が合った瞬間、思いっきり目を逸らされた。


「あ、碧翔といると楽だし、いつも笑ってて話尽きなくて
どうでもいい時間すら心地いいし

…それに、やっぱり私は碧翔の笑った顔が好きだから」


え、え?
好き、ってなにそれ、どういう意味…


「でも今日、碧翔のかっこいいとこ見て
なんか今まで私しか知らなかったはずなのに、かっこいい碧翔がみんなに知れ渡って
いきなり碧翔にファンができるし、かっこいいとか言ってる人もいるし

急に、みんなの碧翔になりそうなのが怖くて

だから今日、絶対碧翔に告白しようと思ったんだ」