「オレンジジュースしかなかったけどいい?」と、ペットボトルを持ってきたモトちゃんを見て、私は慌てて手帳をお尻の下に置いた。
「今なんか隠さなかった?」
すると、不自然な動きをした私にモトちゃんはすぐに気づいたみたい。
「……別になんでもないよ」
私はバレないようにあえて平然とした。
だって手帳なんて自分だけで見るために書いてるから字も汚いし、子供っぽいシールだって貼ってある。
それにモトちゃんのことばっかり書いてあるから、見られたくない。
お前こんなこと思ってたのかよって、引かれちゃうかもしれないし、気持ち悪いと思われたら私はもう生きていけない。
私の嘘を見透かしたように、モトちゃんは不機嫌になった。
オレンジジュースを一気飲みしたあと、部屋は静寂に包まれる。そしてモトちゃんはゆっくりと視線を私に向けた。
「お前ってさ、本当に俺のこと好き?」
まさかそんなことを聞かれると思ってなくて、すぐに反応できなかった。



