「………美心っ」


怒れない。

あいつに怒れない。



同じことをして傷つけた俺が、あいつを怒れないんだ。

「なにやってだよ‼

青も、怒れよ‼なんで……っ」


ごめん、雷。


お前と同じ風に怒ること、出来なくて悪い。


俺が、何も言わないのを見ている雷。



「目黒先輩は、怒れないですよ?
分からないんですか?
美心先輩は、青先輩に泣かされたんだから。


俺は相談されただけ。


俺は、青先輩と同じことしただけ……」


雷の表情が、曇ってくーーー。


「青、美心に、キスしたのか?
俺のって知ってて?

なあ、青っ……今のどう言う意味??」


雷の表情が、どんどん曇る。