「なあ、いいのか?」

そばにいた廉が、聞いた。

何が?、なんて聞かない。

「美心が、幸せならそれでいい。

だけどもし、雷のせいで美心が泣いてたら……分かんないけどね。

その時は、雷から美心を奪うつもり」


俺はソッと、君を、見た。

幸せそうに、雷に寄り添う美心。


君が、幸せならそれでいい。

「青は強いな。

俺は無理そうだ。
勝てる勝算のない戦いには、挑まない主義だ」

廉が、空を見上げた先には真っ青の空が広がっていた。


この、空の青さはまるでーー


"青は強いな"ーーー。


強くなんかない。

強くなりたい、と常に思ってる。

本当は弱い。

弱いんだよーー。

無になりたいだけなんだ。