「あいつ、なんて名前?」


「いや、その~。分かんないな」

「本当のこと言って、美心」

冷めた雷の声が、美心に語りかけた。

「工藤 勇気くんです‼」

あ、ばらした。


お昼休み……。

みんなで昼休みを堪能していたんだけど。

「工藤勇気?
何組とか知ってる?」


「いいえ、本当に知らないの」


本当に知らないらしい、美心は困った様に目を伏せた。


「つか、いつから?
いつから、あいつに?」


雷、思いっきり気にしてんじゃん。

クールな顔してさぁ。

「二年になって、工藤くんが1年で私が代表で話してから、声かけられる様になったの」


つか、それから半年かよ。

「なんで、言わなかった?」



うわ、おも苦しい雰囲気だな。

「なんも、されてないし。

雷くんに心配かけたくなかった。

大丈夫だよ……」

なんもされてなくても、男側からしたら嫌なもんだけどな。

きっと雷もーー。

俺は、雷を見た。

考え込む雷がいた。