カフェに戻る俺達に、奴等は微笑みを浮かべた。

「美心、劇出来る?
美心の為に作った劇だよ。
応援してる」

藤の言葉に大袈裟だな、と思った。

女子から美心の絡みを頼まれた藤。

美心の為に作った劇?
少しばかり、腑に落ちない俺だけど。

「美心、行くぞ」

君の手を掴み走り出す。

君と、俺の最高の演技を見せよう。
もう、吹っ切れた。

どうにでも、なればいい。
半ば諦めだけど、、



「美心、クライマックス楽しみにしてるよ‼」

クライマックス?

最後、どうなるんだっけ?

俺は、台本の最後のページを捲った。











"ありのままの自分を、ありのままの演技を……
 君が素直になれたら、クライマックスは君の想うがままにーーーー"。



クライマックスは、存在しない。
最後、君がどんなクライマックスを迎えるのか、何となく想像つくんだ。

内藤でもない、俺でもない。

きっと君はーーーーーー