「命なんて、かけないで。
ねっ?」


緩む顔。
思わず、にやけそうになるのを、押さえた。

「どいつもこいつも、惚れた弱味だねぇ」

秋が、呆れた様に言った。

惚れた弱味ーーーー?
そんなこと、ないとは言えない。
だって、甘い顔せずには居られない。

「わかってる。
負けやしないよ。
絶対に、雷も美心も、守るから」

どちらも、大切な雷龍の大切な仲間だ。

「つか、あいつらはまだ来ねーの?」

「あいつら、呑気だからな」

あいつらーーー?

「俺らの仲間。
癖があるのが微妙。
腕は確かだ」

なんか、それはまたーーーー。


……………ピーンポーン。

あ、誰か来た。

腰を浮かしたのは、西道。

ため息を吐き出す翼と、秋。

なんだか、嫌な予感が脳裏を掠めた。