「なんで、そんなこと分かるんだよ。
あんたら、何者な訳?」

本当、こいつらなんな訳?

そんな情報、いち早くどこで知る訳?

「鬼姫は、清水菜子。
鬼姫のバックにはヤクザが、絡んでる。
そいつが狙ってるのは、橋爪 雷。
あんたらの総長だ」

清水 菜子?

ヤクザが、絡んでる?

雷が、狙われてる?

ますます、訳分からない。

なんで、この情報をこいつらが教える?
なんの得がある?

「なんで、そんな情報わざわざ教えに?」

あり得ない。

敵ではないかも知れない。
だけど、味方か、って言われたら分からない。
「うちの姫が、そっちの姫を気に入ってる」
舞原 華恋が、美心を?

ニコニコ笑う、舞原。

その笑顔には、悪がない。

「会いたかった。
生きてれば会える言ったけど、会いたかったから会いに来た。
あなたを救いたい。
一度、名前も顔も知らないあたしを助けに来た。

あたしもね、あなたを救いたいの」


舞原は、美心の手を握った。

美心は、泣きそうに顔を歪ませた。

「雷くんを、救えるかな。

雷くんを、助けて…………っ」


君が一番、辛い筈なのにーー。

助けを請うのは、雷のこと。

君は、やっぱり雷のこと。
「うん、助けよう」

舞原は、力強くそう言い抱き締めた。