「おい、藤なんだこれは……」

やっぱり聞いたことある声がして、見れば居たのはやっぱり雷で……。

さっきの声は、雷だったんだ。

雷の登場に、一同静まる。

美心は、少し震えてる。
だから、俺は美心の手を握った。

「………役とは言え、嫌なんだけど…。
別のやつにして」
配役については、藤が頷く訳ない。

あの藤が。 
「いいよ、じゃあ、内藤くんお願いします‼」 

はあ?

「えっ!?俺!?」

内藤 和也(ナイトウ カズヤ)。
スポーツはバスケ、長身爽やか男子。
女子に人気の高い奴だ。

チラリ、と恥ずかしげに美心を見る。
少し、頬が赤い。
ああ、こいつも美心狙いか。
雷よりめんどくさい奴、来たよ。

俺は、ため息を吐き出した。