「廉?
なんで?」

目の前は怒りに拳が震えてた。
目に見える怒りに、俺も動けない。

「梓を倉庫に連れてきたんだけど………
何やってんだよ……雷。
今、美心ちゃんに何言ってんの?」

廉の隣には藤は居なかった。

「梓なら、美心ちゃん追いかけて行ったよ。
いいのかよ、追いかけなくてーー」

俺の気持ちに寄り添う廉がいた。
いつものちゃらけた感じは今はない。

頬を殴られ、少し赤くなった雷は……廉を睨んだ。

「関係ないだろうが!!
美心は、やっぱり青といる方がいいんだよ‼」

胸ぐらを掴む雷は、廉を睨んだ。

何が、俺といる方がいいんだよ………。


俺の気持ちも、美心の気持ちも……なんも分かっていない。





「やっぱりってなんだよ。

あの日、美心を大切にするって誓った雷はどこ行ったんだよ。
後悔しても、知らないからな‼」

俺は、美心の後を追いかけた。