「本当、可愛いな」

「ああ、可愛い」

誰が見ても、君は可愛い。
君は雷龍のお姫様。

俺達で、守ってきたお姫様。
誰よりも、特別な存在。
俺らはそっと、部屋を出た。
トゥルトゥル……トゥルトゥル。
突然なった電話。

画面を見て、溜め息をついた。
「"雷、何?
美心なら、心配いらない。
雷、美心はやらない……"」


「"ふざけんなよ、美心は俺のなんだよ。
だから、手出すなよ!"」
雷からの忠告。

「"彼氏なら何してもいいのかよ。
美心は、雷が怖い……俺に助けてって言ったんだ"」

"青くん、助けて"ーー。

君が、俺を初めて頼った。

瞳に涙を溜めて、俺を見たんだ。
「"美心が、、そう言ったのか?"」
雷の声は震えてた。

「"あー、そうだよ。
美心は暫く預かるから……「"勝手にしろよ、どうでもいい。俺にはもう、関係ない"」

はあ?

関係ない?めちゃくちゃ、大有りだろう。
プツン。

切れた通話。
思わず、スマホを眺めた。

「どうした、青?
雷だろう?なんて?」

真也が
なにも言わない俺に、首を傾げた。