ぎゅっ。


美心が、更に腕に抱きつく。

「美心??
雷、美心に何した?
ここまで、怯えるの可笑しいんだけど」


俺の腕に抱きつく美心は、ずっと俺から離れない。

はじめて大好きな君が、雷に拒否を示し……
そして、俺に助けを求めてる。

「美心、帰るぞ‼」


雷が動いた。

だけどーー



「いやっ!!!」


ーーーパシッ!!


俺は、雷の腕を掴んだ。


美心が、嫌がってるから。

「青、離せよ」

弱々しい雷の声。

美心に否定され、その声は泣いてるみたいだった。



「雷、ここは引いてくれない?

美心に、嫌われたくないでしょ。
美心は、俺が預かるからーー」


チャンスだなんて、ずるい考えはない。

ただ、君の側に居たいだけだ。