*美心side*

青くんと別れた後、私は。


「青の奴、本当邪魔だよな。
あいつは本当、ムカつく野郎だ」

雷くんは、青くんの悪口ばかり。

私は、ついーー。


「そんなこと言わないで、大切な仲間だよ」


宥めたつもりだった。


だけど………

ーーーードンッ


えっ………?

気づいたら壁に押し当てられていた。


雷くん………?


びくともしない体。
身動き一つ取れなくて、目の前の雷くんは私に見せたことのない表情を、向けた。


「美心は、俺のなんだよ」



「やっ!!」


首にキスを落とす、怖くて目を瞑った。

「たまには、違う場所でするのもいくない?」

そんな自己中な発言は、今まで無かった。

数回、彼とは体を重ねた。

どれもみんな優しくて、こんな乱暴じゃない。

いくら路地裏と言えど、夜の路地裏は怖くて目の前の雷くんに、私は、怯えた。

そんな私にお構い無しに、乱暴に服を脱がそうとする雷くんを見つめ
涙を流した。


だけど、不意にその手が止まった。

私を見てる目は、哀しみを含んでた。

私は、手が緩むのを感じ、彼から離れた。

とにかく、逃げたかった。

はじめて、雷くんを恐いと思った。


*美心side終わり*