「美心!!?」



その時、息を切らした雷が現れたんだ。

「雷くん……っ」


君の声が、震えてる。
俺は、美心を抱き締めた。

君が、そっちに行けない様にーー。

「青、離せよっ」


「何が、だよ。
なんで、美心を一人にした!?

美心、変な奴等に連れさらわれそうになってたんだよ。

雷、美心を大切に出来ない奴に
美心は、あげない。

俺が貰う。
大切にする。
今度は絶対、離さない。

だから…………


美心を託してよ」


やっぱり、美心じゃなきゃダメだった。

美心じゃなきゃ、ダメだ。


「美心、こっち来い」

おい、俺の話聞けよ。

雷は美心しか、目に入らない。

そこがまた、自己中でムカつくけど……。

美心を見たら、美心は俺の腕をぎゅ、と握った。

雷に、怯えてる?


なんだ………?

「さっきは、悪かったよ。
もう、無理矢理しないから、だからこっち来いよ」


無理矢理………?


それってーーー。

「美心、雷に何された?」


俺の声が、響いた。

美心を見たら、ポロリ、と涙が頬をかけた。