「二人きりとか、マジ無理。
青がなんとも思ってなくても、俺は嫌だ」


廉の声が震えてる。
俺はため息を吐き出した。

俺は、廉を置いて藤のいる部屋に入る。

「ちょっ、おいっ」


「あれ??廉?どうしたの?」

すっかり元通りの藤は、衣装を棚から出したりしてた。

「はあ、また落ちるよ。
出すからいいって言ったのに……今度は落ちなかったな」

その言葉に少しムッ、としたのは藤。

「もう、落ちないもんね。
悪かったね、重くて」

軽く睨む藤に、俺はーー。

「軽かったよ、ちゃんと女の子だった」


そう言った。


赤い顔の藤。

「梓、俺が一緒にいるから青は帰っていいよな?」


いきなり、藤を抱き締めて威嚇した廉にフッ、と笑う。


「あ、うん。
ありがとう、目黒くん」


「いや、そうやって素直な方が可愛いよ。
二人共。」


ふふ、と不敵に笑い部屋を出た。

チラリ、と見たら見つめ合う二人がいた。


二人がキスをする瞬間、目を反らし前を向いた。


「いいよな、両想いは……」


そう、呟いた俺は廊下を歩いた。


もう、夕暮れ間近だ。