「廉、誤解すんなよ」


「何がだよ、何梓のこと抱き締めてんだよ。
お前は、美心ちゃん好きなんだろうが⁉」

ほら、やっぱり誤解してる。


「あのさ、脚立から落ちた藤を助けただけだよ。廉だって、同じ状況になれば助けるろ。
それなら、どうして自分が、したい言えば良いのになんでしなかった?」


「…………っ。」

廉は拳を握りしめた。

「行けばよかった。
梓にあんな顔させて、見たくなかった」


あんな顔??
さっきの、赤い顔の藤か。
確かに普段の藤からは想像出来ないぐらいだった。

好きとかじゃないけど、素直に"可愛い"と、思った。