「でも瞳、あまり首を突っ込みすぎないほうがいいわよ。親身になって話を聞いてあげれるところは瞳のいいところだけど、スミレは瞳が精神的に疲れてしまうんじゃないかって思うと心配だわ」

珍しくスミレが真面目だ。

瞳も驚いているようで口をぽかんと開けて、スミレをまじまじと見つめている。どうしてしまったのだろうか。


「スミレにいい考えがあるの!」

「いい考え?」

「ええ。美味しいものを食べると幸せな気持ちになるでしょう。揉めている生徒にお菓子をあげれば、幸せになって解決するんじゃないかしら!」

「いや、しない」

瞳はそっけない口調で即答した。

やっぱりスミレはただの阿呆の子だったみたいだ。そんなんで解決できるわけがない。


「なによなによ! いじめとは、心にゆとりがないから起こるのよ! 甘いものを食べてハッピーサイコーになればいいことじゃない!」

「スミレが思っているほど、女子のいざこざって単純じゃないと思うわよ」

「真莉亜の言う通りだよ。甘いもので解決できる問題じゃない。それにスミレはあまり関わらないでおいた方がややこしくならなくて済むよ」