「彼らにお話してもよろしいかしら?」

浅海さんを見遣ると頷いてくれたので、先ほど聞いた彼女の事情を彼らに話した。

男装していたことを知った以上の驚きはないようで、三人とも真剣に事情を聞いてくれた。



「雲類鷲さんが話してくれた通りの事情です。なので、秘密にしていただけると助かります」

頭を下げてお願いをする浅海さんに対し、三人はそれくらい構わないと承諾してくれた。

原作とはズレたけど、彼らが浅海さんの秘密を共有するのは原作通りだ。


異質なのは私だけ。


問題を解決したところで、休み時間が残りわずかなので医務室から出ようとすると再びドアが開かれた。

中に入ってきた人物に微笑むと、相手は顔を顰める。そして、私の元に歩み寄ってくると珍しく強い力で肩を掴んできた。


「スープがかかったって聞いた。怪我は」

「ないわよ」

「火傷はしてない?」

「大丈夫よ、蒼」