着替え終わり、カーテンを開けると医務室の椅子に肩身が狭そうにちょこんと座っている天花寺が視界に映った。

その横では軽蔑したような眼差しで天花寺を見下ろす桐生。

こ、怖い。凍りつきそうなほどの冷たさを感じるんですが。

一方、雨宮は二人の様子を眺めて楽しげにしている。この人はなにを考えているのかわからない。先生も「若いなー」なんて笑いながらパソコン作業をしつつ私たちの様子を眺めている。


「ごめん! ま、まさか浅海くん、いや浅海さん?が女性だとは知らなくて……その、すみません!」

「如何わしい想像しちゃったんだねー、悠ってば」

「う……ちがっ」

雨宮がおちょくるのでますます天花寺の顔が赤くなっていく。原作でもこういう時って照れてたもんなぁ。何でもそつなくこなすように見える天花寺は案外純情だったはず。


「天花寺様のラッキースケベ問題は置いておいて、浅海〝くん〟の事情をお話ししてもよろしいかしら」

「ラ、ラッキースケベ!?」

あ、うっかり言っちゃった。

これ以外さっきの事件を表現する言葉が思い浮かばなかったんだもん。雨宮に笑われたし。桐生は眉間にしわ寄せていて怖い。