『頑張ったね。犯人も無事に見つかったし、これからは思う存分女子高生の日常を楽しめるんじゃない?』

「なによそれ。まあ、心配事はなくなったから、心の重荷がなくなったわね」

『それなら————』

「え……」

近くの電柱からカラスの鳴き声がした。

電話越しの雨宮の言葉に思わず、立ち止まる。


聞き違いかもしれないと一瞬思ったけれど、彼はどんどん話を進めていく。



『じゃあ、ありがとね。もうこうして連絡を取り合うことはないだろうけど、学院では今まで通りで』

「……そうね」

『じゃ、またね。雲類鷲さん』

通話が終了した音が耳の奥に響く。

焼けるように熱い夕焼けが私の瞼を焦がすように照りつける。



雨宮の言う通りなのにどうしてこんなに胸の奥がざわつくのだろう。