ああ! 大変だわ!

あれが『花ノ姫』の方に見られてしまったら、私たち百合園同好会は活動できなくなってしまう。私たちの心の潤いの場を守らなくては!

飛んでいってしまった百合園新聞を追いかけていくと、既にそれは他の人の手に渡ってしまっていた。


「百合園新聞ねぇ」

血の気が引き、心臓が早鐘のように打つ。

ま、まさかあのお方に拾われてしまうなんて……!


「あ、あの」

「ふーん、ダリアの君が未だに男子校舎をよく眺めていて、撫子の君が不安げなご様子かー」

ああ……読み上げられてしまった。顔から火が出てしまいそうだわ。


私に甘い微笑みを向けているのは、この学院の男子生徒で輝かしい雰囲気を纏っている雨宮譲様。

そして、お隣には同じ輝かしい雰囲気を身に纏っている天花寺悠様と桐生拓人様。

こんなに近くに彼らを拝むことができるなんて、眩しすぎてクラクラしてくるわ。ま、睫毛長い! 鼻筋も羨ましいくらい綺麗に通っていて、きめ細かなお肌でお美しいわ。