「そうね。多分、恨まれているのは私でしょうね。けれど、私は私で手を打つわ。花ノ姫である以上、憧れの裏側には妬みもつきものだもの」


できれば浅海さんには余計な心配はかけたくない。

平和な学院生活を送ってほしい。

私の問題は私が解決するべきだ。


花ノ姫である以上、妬みはつきもの。

これは嘘じゃない。


まあ、実際犯人が私を狙う理由なんてわからないけれど。性別すらも不明なのよね。



「……犯人の心当たりはないんですか」

「そうねぇ。私のことをおもしろく思っていない人なんてたくさんいるでしょうから、逆に誰かわからないわ」

「雲類鷲さんが恨まれるような人には思えません」

随分私という人のことを善人だと思ってくれているみたいだけど、一木先生を追い出したのも、雅様を脅したのも私だ。

別に綺麗じゃないし、汚いことばかりしているわけでもない。確実に一木先生からは恨まれているだろうしね。