「姉さん、そろそろ…………」


蒼の沈黙がたっぷり五秒。



無表情のまま弟に見下ろされている姉はとても切ない。


せめてなにか言ってほしい。



いっそのこと罵って!

叱って!

呆れて!


なにも言わないのやめて!



傷つくから!





「朝食、あとは姉さんだけだからね」

蓑虫の姉を置いて、ドアは閉められてしまった。


「放置はやめて!!」

弟のあえて触れないという戦法に傷ついた私は脱皮した(布団を剥いだ)。



ぬくぬく布団を手放した私はガウンで身を温めながら部屋を出る。



……最初からこうすればよかった。