ベッドに寝転がり、天井を見つめながら安堵のため息を漏らす。

今日は特に濃い一日だった。

とりあえず、一木先生はいなくなるし、雅様はもう大きな動きはしないだろう。

海老原くんの妹も雨宮がどうにかしてくれたみたいだし、あとはあの人がどう動き始めるかだ。


どうやら原作通りに進めたい人がいるようだから、必ずなにか仕掛けてくるわよね。

例の浅海さんと私の画像をどう使う気なのかしら。



隣に置いていた携帯電話が振動しはじめた。画面を覗くと、表示された名前は希乃愛だった。



「もしもし」

『真莉亜様、突然お電話してしまってすみません。最近お話できていなかったので、声が聞きたくなってしまって』

そんなことを言われてしまうと顔がにやけてしまう。

自分を慕ってくれる後輩って可愛いし、嬉しい。

後輩でも慕ってくれている子たちはいるけれど、どこか距離があるし懐いてくれているっていうよりも、私が花ノ姫だから憧れの対象って感じなのよね。