「それはスミレや浅海くんのこと?」

すると、雅様は肯定するように微笑んだ。

天花寺たちに守られている特待生の浅海さんや、瞳に大事に守られているスミレ。

それが嫉妬からくるものなのかはわからないけれど、つまり雅様は乙女ゲームや少女漫画でいう愛されヒロインみたいな子が嫌なのね。


「その点においては己の力で相手をねじ伏せる貴方は清々しいわね」

私がもの凄く物騒な人間みたく言われているけれど、そこまで恐ろしいことしていないわよね!?


ちょーっと脅して、これ以上はやめてねって言ってるだけだもの。

一木先生の退職は自業自得だし。


「まあ、私はこれからの貴方の行く末を傍観して楽しむことにするわ」

「それは雅様が退場しても、まだ仕掛けてくる人がいるって聞こえるけれど」

「あら? 気づいていなかったの? 貴方、とっても憎まれているわよ。ふふふ、気をつけてね。真莉亜様」


そんな恐ろしいことを告げて、愉快そうに笑いながら雅様は教室を出てい行った。



え、ちょっと待って!

不穏なことだけ残して去って行かないで!


待って、雅様ー!



慌てて廊下に出たものの、すでに雅様の姿はなく撃沈して崩れ落ちた。




……私、誰に恨まれてるの?