それから花火を見終わると、みんなが用意してくれたジュースで乾杯して、スミレのお兄さんと瞳が作ってくれたという色とりどりのフルーツが敷き詰められたバースデーケーキを食べた。

ケーキにはチョコレートで作られた薔薇が飾られていて、食べるのがもったいないくらいだった。(食べましたけど)


こうしているととても令嬢や御曹司とは思えず、普通の高校生達みたいでおかしかった。


けれど、普段のごきげんようなんて挨拶を交わしている私たちよりも、こっちのほうが何倍も楽しくて笑っていた。




こうして、高校一年生の夏が終わりを迎えた。


誕生日のお祝いをしてもらい幸せの真っ只中だった私は


忍び寄る不穏な影に気づかなかった。