自分がこんな風にお祝いをしてもらえるなんて思ってもいなかったから、かなり驚いてしまったけれど嬉しさがじんわりとこみ上げてきて胸が熱くなる。


なにこれ、嬉しすぎる。

泣かないように必死に目頭と鼻に力を入れていると、「こんな日にまで変顔しなくていいのよ! 真莉亜」とスミレに言われてしまった。


違う、これは変顔じゃない。

しかも、私がいつもしているみたいな発言やめて。

蒼が訝しげに私のことを見ているから怖い。お姉ちゃんは無実です。




「大成功だわ!」

顔を綻ばせて喜んでいるスミレは珍しく髪の毛を一つに纏めており、更に薄い紫色の浴衣が普段よりもスミレを落ち着いた女の子に見せている。

隠しごとが苦手な彼女が私に内緒にしているのは普段なら難しかっただろうけど、夏休みだったからあまり会う機会がなかったから私もスミレの隠しごとに気づかなかったんだろう。


スミレと瞳、流音様と会うのは景人のお祝い以来だ。

本当は花ノ姫でダリアの君の別荘に遊びにいくお誘いがあったけど、私だけ勉強で不参加だったから。