別に悪いことを企んでいるわけじゃない。

真面目なところを見せて、一日くらい出かけることを許してもらおうと思っているだけだ。


背筋を伸ばし、再び英語と向き合う。ここで負けるわけにはいかない。

みんなで遊ぶため私は英語と戦うのだ。


「来い!英語!」

意地でもいい点とってやる!


「姉さん、ちゃんとして」

「してます!」

「ちゃんとできたら、俺が姉さんのお願い叶えてあげるから」

「蒼っ! なんていい子なの!」

やっぱり私はいい弟をもったわ!

蒼先生にかかれば、きっと英語もちょちょいのちょいね!

おっほほほほ! 蹴散らして差し上げるわ英語!

あ、ちょっと私悪役令嬢っぽいかも。



「姉さん……なんて顔してんの。時間無駄にしないように早くやるよ」

「はい、先生!」

蒼に叱られないようにお姉ちゃん必死に頑張ります。