ごきげんよう。

雲類鷲 真莉亜は、夏の予定がひとつできましたっ!てへっ!

と浮かれていたのは一週間前のことだった。

そして、今日私は正座をしていた。


真夏でも涼しい快適な我が家のはずなのに私は正座をして冷や汗を垂らしている。



「真莉亜さん」

「……はい、お母様」

目の前に立っているお母様の顔が見れない。けれど、床を見るのもちょっと複雑。

床には一枚のプリントが置いてある。赤ペンで採点されてる補習のテストには、五十点の文字。

ギリギリ合格したのだが、最低ラインだった。


「なんのための補習だったのかしら」

「……はい、お母様」

「しっかりと補習を受けていたのなら、この点数はありえませんよね。真莉亜さん」

「……はい、お母様」

私はお母様に怯えて、『はい、お母様』人形になりつつある。