実行日、家庭科室の鍵を借りて朝から私たちはお菓子の家づくりに勤しんでいた。


瞳が作ってきてくれたクッキーにカラフルなアイシングクリームを使って、絵を描いていく。

本当なら私の役割だったけれど、瞳も手伝ってくれている。


「真莉亜……これは?」

「水玉模様よ」

「水玉……?」

ちょっと歪んでいるけれど、そこは味ということで許していただきたい。

瞳の描いているクッキーを覗き込むと花束が描かれていた。


な、なにこれクオリティ高くない!?

ごめんなさい水玉とか言ってごめんなさいちょっとこれ食べちゃってもいいですか。本当すみません。



「家は完成したわ!」