「それじゃ、蒼。私たちはここで〝女子会議〟があるの」

「女子会議? 女子会じゃないの?」

「男が口を出すのは野暮ってもんよ!」

「そっか。……じゃあ、何かあれば呼んで。騒ぎになる前に呼んで」

完全におかしなことするんじゃないかって怪しんでいる目をしている。

だけどね、蒼。これはおかしな会議じゃない。


お菓子の会議なのよ!

女子のスイーツな話に男は不要!ここは私の中に眠る女子力を総動員させてやるべきことなの。



蒼が出て行ったのを確認すると、早速私はソファに腰をかけて本日の女子会議を開始した。




「静粛に!」

まずは咳払いをしてから、この場を鎮める一言。

これ、ちょっとやってみたかった。


「えー、よろしいですか。本日は桐生拓人の誕生日を祝うためにお菓子を作ろう会です。それぞれ意見がある場合は挙手して答えるようにお願い致します」


そう。これは桐生拓人のための会議だ。