「姉さん、これはどういう状況?」

我が家の状況を目にして蒼が呆れた面持ちで訊いてきた。


「女子会ですわ」

「女子、会?」

応接間には怪しげな本を読みながらうさぎのパペットで会話をしている東雲流音と、真剣に『小学生のおかし』という本を読んでいる瞳がいる。

蒼はこれが女子会なのかと疑わしげにしているけれど、サバトまたは魔女会と呼ばれている花会よりは恐ろしさはないと思う。


これは清らかな乙女の会です。



「ご、ごきげんよう!」

振り返ると少し緊張気味のスミレが私と蒼の後ろに立っていた。


「水谷川さん、こんにちは。いつも姉と仲良くしてくれてありがとう」

「い、いえ……ケーキを使用人の方にお渡ししましたので、よろしければ召し上がってください」

「ありがとう」

男の子が苦手なスミレは若干話し方がぎこちないけれど、蒼はスミレの真の姿を知らないからか特に不思議には思っていないみたいだ。